新・価値のあるお買い物日記

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コードレス掃除機を徹底比較!最新のコードレス掃除機を試してみてわかった5つのこと

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コードレス掃除機(コードレスクリーナー)の市場拡大が目覚ましいですね。

コードレス掃除機は、ちょうど今から10年前にダイソンから登場したRoot6 DC16をきっかけに、スッと出せてサッと使える事が消費者に受け、それから10年かけてその市場規模は爆発的に大きくなってきました。

コードレス掃除機が今では、掃除機全体の5台に1台がコードレス掃除機となるほどとなり、昔ながらのキャニスタータイプに取って代わる時代が来るのも時間の問題と言えます。

そんなコードレス掃除機は、大きく2つの種類に分類されます。手元に重心がありキャニスタータイプと使い勝手が似ている「ダイソン」タイプと、ヘッド側に重心があり自立する「エレクトロラックス」タイプです。

 「ダイソン」
タイプ
「エレクトロラックス」
タイプ
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重心 手元側 ヘッド側
ヘッドの取り回し
自立
特徴 ・キャニスタータイプと勝手が同じで使いやすい
・手首に負担がかかり易く、長時間使用が困難
・自立するため掃除を中断しやすい
・ヘッドが狭いところに入り辛い

両者どちらのタイプが使いやすいかは、もちろん個人差がありますが、キャニスタータイプに使い勝手が似ている「ダイソン」タイプが比較的人気ですが、どちらのタイプも普及機が出揃っており、一概にどちらが良いという判断もできなさそうです。

そんなコードレス掃除機は、「どれを買えばいいの?」と迷う人が多いと思います。そこで今回は、家電マニアの私がコードレス掃除機を徹底比較し、最新のコードレス掃除機のうちどれを購入すべきかを、5つの観点からお伝えしたいと思います。

コードレス掃除機を徹底比較

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全てのコードレス掃除機を比較するのは、どこぞのコードレスクリーナーマニアさんのブログにおまかせするとして、私は何らバイアスのかかっていない、市場で一定の評価を得ている3機種に絞って性能比較を行いたいと思います。

まずは、その3機種の基本的なスペック比較を見てみましょう。

型番パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
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本体寸法
(mm)
W252×H1160×D153 W250×H1244×D224 W280×H1015×D230
質量 2.2kg 2.61kg 2.3kg
連続使用時間
(標準/強)
約15〜30分/約10分 約40分/約7分 約30分/約8分
充電時間 約3時間 約5時間 約3.5時間
集じん容積 0.2L 0.54L 0.2L
吸込仕事率
(業界推定)
非公開
(180W)
非公開
(115W)
非公開
(170W)
運転音 67〜約63dB 69〜約79dB 非公開
電池寿命
(充電回数)
約2000回 約500回 非公開
水洗い
(分解簡単)

(分解やや困難)

(組立て超困難)
バッテリー交換
(13000円)

(20000円)

(18000円)
自立
付属品 すき間用ノズル
ペタすき間ノズル
延長ホース
ハードブラシ
フトンツール
コンビネーションノズル
すき間ノズル
収納用ブラケット
伸縮曲がるブラシ吸口
ふとん用吸口
すき間用吸口
充電台
お手入れブラシ

※赤文字が3機種で最も優れている点を表しています

基本スペックを見てもわかる通り、噂のダイソンV8 Fluffy+は、連続使用時間と集じん容積以外はパナソニック MC-BU500J(通称:IT)に及ばないのですが、連続使用時間と集じん容積こそがコードレス掃除機のバロメーターのため、一概にどちらが優れているとは言い切れません。

また、日立 PV-BD700は重心が低い位置にあるため、稼働中に手首にかかる負担が他の機種よりも少ない点がポイントで、自立もします。

このように、三者三様のコードレス掃除機ですが、さらにじっくり見てみると、どのコードレス掃除機を選ぶのが最良であるかがハッキリと見えてきます。具体的にご説明しましょう。

ポイント1.手首にかかる負担の違い

コードレスクリーナーは、モーターやバッテリーが本体と一体になっているため、一般的なキャニスタータイプの掃除機に比べて手首に大きな負担がかかります。

この手首にかかる負担は各社大きく異なります。以下の表は、各社のコードレスクリーナーの重心と、重心から床までの距離、そして最も重量がかかっている範囲を示したものです。高校物理の復習ですが、重心が高く、それを支えるものの長さ(床までの距離)が長い方が重く感じ、さらに重量がかかっている範囲が手に近い方がより多く手首に負担がかかります。

パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
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2.2kg 2.61kg 2.3kg
重心が高いが、重さが分散されている 重心が高く、重さも手首に集中 重心が低く、手首に負担がほぼない
負担軽減度
★★★★☆
負担軽減度
★★☆☆☆
負担軽減度
★★★★★

ご覧の通り、パナソニック MC-BU500Jはちょうど重心にあたる位置がグリップポジション(持ち手)となっているため、重心の位置が高くて手首に若干の負担がかかるものの、最も重量がかかっている範囲がパイプ部に分散して配置さらており、さらにその重量部分そのものが軽いので、想像以上に手首にかかる負担が少なく済みます

一方、Dyson V8 Fluffy+は同じく重心が高い位置にありますが、グリップポジションよりも高い位置にモーター部があり、もろに手首に負担がかかります。しかもモーター部の重量が手首周辺に集中しており、より一層負担を感じさせてしまっています。

最後に日立 PV-BD700は、重心が低く、重量がかかる範囲も手首から離れているまで非常に軽く感じます。ただ、重量がかかる範囲(モーター部とゴミ収集部)が他のコードレスクリーナーよりも大きいため、細かな動きをしようとすると手首への負担が一気に増します

手首への負担に関しては、パナソニックと日立は良好(負担が軽い)と言えますが、Dysonは少し良くない(負担がある)と言えます。

ポイント2.壁際のゴミ掃除性能の違い

まずはこちらの動画をご覧ください。

おわかりの通り、上記はDyson V8 Fluffy+と、パナソニック iT MC-BU500Jのクリーナーヘッドに着目し、壁際のゴミ掃除性能を比較したものです。

各社のプレスリリース発表時によくある、「前もって作られた都合の良い実演環境」とは違い、全く無関係の東芝さんが用意した毛の浅いじゅうたんを模した壁際のゴミ掃除で比較するあたりがミソです。(なので、Dysonとパナソニックの両者にとって抜き打ちテスト!)

結果は一目瞭然で、共にじゅうたんは問題なく掃除できるものの、Dyson V8 Fluffyは壁際のゴミの取り残しが目立ちますよく見ると、ゴミが外に飛び散ってしまっているのもわかります。一方で、パナソニック iTは三洋電機から引き継いだ「ガバ取り」機構が十二分に機能し、壁際にゴミを一切残さずに簡単に掃除ができています。

床のゴミは、じゅうたんはもちろん、フローリングの場合は尚更、壁際およびコーナーに溜まりがちです。ここをしっかり掃除できるかは、クリーナー性能を比較するうえでは非常に重要です。

日立のPV-BD700は展示品が無く、実機テストはできませんでしたが、「ガバどり」までは行かなくても、それに似た「きわぴた」構造があり、ほぼ同じ壁際のゴミ掃除性能があると言ってよさそうですが、実際はどうでしょうか?

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Photo by GetNaviWeb

上記は日立のプレスリリース展示会の様子ですが、透明プラスチックの壁ギリギリに白いビーズを撒き、壁際のゴミを吸引できるか実験をしています(写真左)。ヘッドに引っかかったビーズが一個だけ残ってしまったものの、日立も壁際のゴミ掃除性能において優秀な結果を出しています(写真右)。これを踏まえ、Dyson V8 Fluffyと、PV-BD700の壁際ゴミ取り性能を比較した動画も見てみましょう。

動画の通り、実際は若干壁際にゴミを取り残してしまうようですね・・・。フローリングのテストでこの結果なので、絨毯だともっと取り残しがあると想像して良いでしょう。

そんなわけで、壁際のゴミ掃除性能を比較するとこんな感じ↓です。

パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
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「ガバどり」構造で壁際は取り残し無し 壁際のゴミ取り構造が無く、多少の取り残しあり 「きわぴた」構造で壁際は取り残し無し
壁際ゴミ取り性能
★★★★★
壁際ゴミ取り性能
★★☆☆☆
壁際ゴミ取り性能
★★★☆☆

ポイント3.アタッチメントの違い

3社のアタッチメント(付属品)の違いは歴然です。

まずはパナソニック iT MC-BU500Jのアタッチメントは、以下の2つだけです。

  • ペタすき間ノズル
  • すき間用ノズル

両方ともすき間ノズルやないかいっ!というツッコミは置いておいて、だいたいのお家ではこの2つで事足りるのではないでしょうか。

ペタすき間ノズルには接地面に割りとしっかりとしたブラシもついているため、机の上など、綿埃が多いような場所では大活躍します。

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次にDyson V8 Fluffy+のアタッチメントですが、全部で6つあります。

  • コンビネーションノズル
  • 隙間ノズル
  • ミニモーターヘッド
  • フトンツール
  • 延長ホース
  • ハードブラシ

地味に重宝するのが延長ホースでしょうか。延長ホース+その他アタッチメントなんていう使い方ができるので、腕の高さよりも高いところをサッと掃除する時なんかに大活躍します。

そして何よりも嬉しいのがミニモーターヘッドとフトンツールですね。パナソニック iTには布団やソファを掃除するアタッチメントが付属していないため、このアタッチメントがあるだけでDyson V8 Fluffy+を購入する理由にもなります。しかも、他のふとん専用クリーナーよりもダニや皮脂の吸引能力が遥かに高く、単なるアタッチメントと軽視できない程の性能です。

さらに絨毯に絡まった糸くずやゴミなどを掻き取りながら取ることができるハードブラシがあれば、自動車内の掃除も楽々とできてしまうので、「アタッチメントのDyson」と言っても過言ではありませんね!

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最後に日立のPV-BD700は、パナソニック iTのアタッチメントにふとんツールが付属した感じでしょうか。3つのアタッチメントが付属します。

  • すき間用吸口
  • 伸縮曲がるブラシ吸口
  • ふとん用吸口

パナソニック iTのアタッチメントとの違いは、ブラシ吸口が伸縮と曲がりの機能があるため、高いところ(例えばエアコンの上部や高いタンスの上部)の掃除もこのアタッチメントだけで行うことができます。

また、ふとん用吸口はDysonと違って叩きながらダニを浮かせて吸引する点で工夫がこなされています。頼れるアタッチメントになりそうです。

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そんなわけで3社のアタッチメント性能はこんな感じ↓です。

パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
  • ペタすき間ノズル
  • すき間用ノズル
  • コンビネーションノズル
  • 隙間ノズル
  • ミニモーターヘッド
  • フトンツール
  • 延長ホース
  • ハードブラシ
  • すき間用吸口
  • 伸縮曲がるブラシ吸口
  • ふとん用吸口
アタッチメント充実度
★★☆☆☆
アタッチメント充実度
★★★★★
アタッチメント充実度
★★★☆☆

ポイント4.ゴミの圧縮能力の違い

3社のゴミ圧縮能力の違いも、使ってみるとよくわかりました。

まずはパナソニック iT MC-BU500Jは、独自のサイクロン圧縮技術で、ゴミを最大3分の1まで圧縮することができるため、以下の写真のようにゴミが玉になってダストボックスに溜まります。ダストボックスの中身は外からでは見えにくくなっている点も、清潔感をかもし出す上での配慮でしょうか。

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実際のゴミ捨て時も、ゴミ箱の中でホコリがまわないため、お手入れも億劫ではありません。肝心のダストボックスはゴミを掻き出さなくても空っぽになるうえ、粉末状のゴミが付着しても、ダストボックスやフィルターごと丸洗いできる点も評価できます。

写真には写っていない、細かなフィルター(シュラウド)には若干の綿埃が付着しますが、ティッシュやブラシ等でサッと払えば取れてしまうほどなので、非常に手入れが楽チンです♪唯一、そのサッと払うためのブラシがアタッチメントとして付属しないのが欠点でしょうか。。。

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次にDyson V8 Fluffy+は、前シリーズのV6からゴミ圧縮とお手入れの性能が格段にアップしたと言われています。

V8では、V6から継承しているルートサイクロン技術により、ゴミを遠心分離する機構を取り入れています。ですが、実はこれ、排気をキレイにするのに一役かっていますが、ゴミの圧縮するという事にはほとんど役に立っていません。

Dysonをお使いの方ならよくご存知だと思いますが、DysonはV6でもV8でもゴミを捨てる時は、ゴミが圧縮されていないので、綿埃がモワッと舞います。ただし、V8からはシュラウド部分にゴム製のスクレイパーが取り付けられた事で、ゴミ捨て時にシュラウドに付着したゴミを全て取り払ってくれるという優れた構造になっています。

もともとV8はダストボックス自体が大容量なので、パナソニック iTや日立よりも2倍以上の0.54Lのゴミを溜め込むことができます。ゴミ圧縮性能は低いですが、ゴミ捨てやお手入れの楽チンさで言えば、高く評価できますね。

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最後に日立 PV-BD700ですが、ゴミの圧縮性能はパナソニック iTよりやや劣る上に、Dyson V8のようなお手入れが楽チンな構造でもありません・・。

全て水洗いできる点では、パナソニック iT同様に評価できますが、そもそものゴミの圧縮性能が低いので、ゴミ捨て時に毎回粉塵が舞い、付属のブラシでシュラウド部をお掃除してあげる必要があります。

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そんなわけで、3社のゴミの圧縮性能はこんな感じ↓です。

パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
ゴミ圧縮性能
★★★★☆
ゴミ圧縮性能
★★★☆☆
ゴミ圧縮性能
★★☆☆☆

ポイント5.動作音の違い

店頭にDyson V8 Fluffyとパナソニック iT MC-BU500Jが置いてあったので、音を比較してみました。まずは動画をご覧ください。


違いは明らかです。

何よりもの違いは、Dysonは手動で吸引力の強弱を切替えなくてはいけないため、絨毯などであれば終始強(MAX)モードで動作しなくてはゴミが取れず、このうるささが家じゅうに響き渡ります。

一方で、パナソニック iT MC-BU500Jは自動モードがあるため、ゴミのある所だけ強モードに自動で切り替わり、ゴミのない(または少ない)ところは弱モードに切り替わります。既に自宅でパナソニック iTを使っておりますが、ほとんど弱モードで動いているため、本当に静かです。これは、パナソニック iTを選んで本当によかった点です。

では日立PV-BD700はどうかという、主観でもパナソニック iTより静かと感じます。こちらの動画も参考になると思います。

日立の静かさというよりも、Dyson V8 Fluffyのうるささが際立っていますね(汗)

動作音は、仕事帰りの夜や夜中に掃除機をかけても、家じゅうや隣家に迷惑がかからないかどうかにも影響してくるため、コードレスクリーナーを選ぶ上で非常に重要な要素と言えます。

そんなわけで、3社の静粛性能を比較するとこんな感じ↓になります。

パナソニック
MC-BU500J
Dyson
V8 Fluffy+
日立
PV-BD700
94.8dB(強)
72.1dB(弱)
95.5dB(強)
74.3dB(弱)
93.2dB(強)
71.5dB(弱)
静粛性能
★★★★☆
静粛性能
★★★☆☆
静粛性能
★★★★☆

※測定値(dB)は、持ち手付近で測定器を当てて独自に測定したものです。

コードレス掃除機はパナソニック iTが1番おすすめ!

あくまで@umame4の主観ですが、3社を実際に使ってみての感想としては、パナソニック iT MC-BU500Jが最も洗礼されており、何よりも使い勝手がよかったです。

噂のDyson V8も非常に魅力的ですが、手首への負担や、動作音のうるささがネックとなり購入対象から外れました。日立は、コードレス掃除機としては優秀ですが、ゴミ捨て性能に難があり、こちらも購入対象から外れました。(というより、パナソニック iTとDyson V8 Fluffyと比べて日立はデザインが少しダサかったのも要因・・)

実際のこのブログで記載した内容を踏まえて、店頭で触ってみることをオススメします。人によって、使い勝手は異なりますので、日立が1番良いと思う方もいると思います。何より、今回取り上げた3社は、どれを買ってもハズレは無しと言いきって良いです!

メインの掃除機としてコードレス掃除機を使い始めて3ヶ月程度経ちますが、100㎡前後の2階戸建てを掃除するなら、パナソニック iTのバッテリー容量(動作時間30分程度)あれば十分です。というか、バッテリーが切れた事が無いので、十分すぎると思っています。

今後は、吸引力とアタッチメントの充実さがコードレス掃除機業界のバロメーターになっていくのではないでしょうか?既にコードレス掃除機は、メインの掃除機の位置に立っても良い時代になってきていますので、購入を悩んでいる方は是非、パナソニック iTをオススメしますよ!是非、価値のあるお買い物を!