iPhone Xがいよいよ発売され、Appleファンも大興奮です。
そんなお祭り騒ぎ状態のiPhone Xですが、機種変更する7割以上の人が、iPhone 6S以前からの機種変更であるため、2年以上ぶりの新型iPhoneにまだ慣れない人も多いのではないでしょうか。
iPhone 6Sからの大幅アップデートされた点をおさらいすると、ざっと以下の5つが挙げられます。
- ホームボタンレスの全画面タッチスクリーン(有機EL)
- ワイヤレス充電対応(Qi)
- デュアルカメラ&光学手ブレ補正
- 顔認証システム(Face ID)
- イヤホンジャック廃止
5つのうち4つは、ワクワクテカテカしながらiPhone Xを手にできる時を待てば良いですが、イヤホンジャックが廃止された1点だけにおいては、手持ちのお気に入りイヤホンが使えなくなるといったデメリットが出てきます。
そこで今回は、イヤホンジャックが廃止されたことを受けて、その代替手段となるBluetoothイヤホン(以下、ワイヤレスイヤホン)の種類と、いま大人気の完全分離型のワイヤレスイヤホンの比較を行い、iPhone Xユーザに最適なワイヤレスイヤホンをご紹介したいと思います。
ワイヤレスイヤホンの種類とは?
ワイヤレスイヤホンの種類は、大きく3つに分けられます。完全分離型、ネックバンド型、そしてレシーバーです。それぞれの特徴を比較すると以下のような感じになります。
それぞれ一長一短で、すべての人にオススメな機種というのは正直決められませんが、用途に応じて最適な機種はあるかもしれません。
例えば、スポーツをしながらであれば、ワイヤーが邪魔にならずに済む完全分離型がオススメですし、通勤・通学などはネックバンド型が落下の心配がなくて済みます。また、手持ちのヘッドホンやイヤホンをどうしても有効活用したい人は、レシーバーに接続することでBluetoothヘッドセットとして利用が可能になります。
中でも、完全分離型Bluetoothイヤホンはあらゆるシーンへの適用が可能で、今後のワイヤレスイヤホン界隈の中枢を担っていくといって良いでしょう。今回は、そんな完全分離型Bluetoothイヤホンについて、高性能かつ機能性に優れた4機種を徹底比較してみます。
完全分離型Bluetoothイヤホンの比較
今回比較するのは、主要各メーカから発売されたフラッグシップモデルの4機種です。他の製品と比較して、機能・性能が優れているものは「◯」、やや優れているものは「△」、劣っているものは「✕」を付けています。
各メーカのスペック比較は上記の通りですが、◯が多いからといって必ずしも自分にピッタリな完全ワイヤレスイヤホンとは言い切れません。連続再生時間をより優先する人もいれば、デザインを重視する人、音質や重量を重視する人など、多種多様だと思います。
それらを踏まえた上で、それぞれの製品レビューを具体的にしてみたいと思います。
1.Sony WF-1000Xの製品レビュー
Sony WF-1000Xは、2017年に登場した完全ワイヤレスイヤホンの大本命と言われる製品で、何よりもの特徴はその洗礼されたデザインセンスです。
こちらの写真を見てもわかる通り、充電を兼ねた収納ケースと、その中にすっぽり収まる超小型サイズにも関わらず、ケース・本体ともにスタイリッシュ感がハンパないです。ちなみに、写真の死角になっていますが、本体背面にはMicroUSBによる充電コネクタが備わっています。
本体は片側6.8gと超軽量かつ、完全ワイヤレスイヤホンの中で唯一NC(ノイズキャンセリング)機能を搭載。音質もトップクラスで、BOSEのSoundSport Freeと比較すると重低音は物足りないものの、情報量重視のサウンドで、空間の奥行きが感じられます。J-POP(前前前世♪/RADWIMPS)を聞いてみましたが、ボーカルの声が非常にクリアに聞こえてストレスがありませんでした。
スマホとNFC接続できる多機能な1台ですが、残念ながらNFC機能はiPhoneXにとっては恩恵がありません。
装着イメージを見ると「大きめかな?」と感じるかもしれませんが、装着感は比較した4機種中もっとも高いと感じられました。
本体下部にあるボタンで、曲送りや停止ができるうえ、マイクもついているのでそのまま通話も可能です。iPhoneユーザは、「Hei, Siri!」で音声操作もできる点は、(外だと恥ずかしいかもしれませんが)利便性は抜群と言えます。
ブラック/シャンパンゴールドの2色展開により、男性・女性問わず違和感のない装着感が最大のウリと言っても良いでしょう。イヤーピースも7種類付属する豊富さがありながら、価格が2万円台前半というコスパの高さから、迷ったらコレ!と自信を持って進められる最強の1台です。
2.Bose SoundSport Freeの製品レビュー
BoseのSoundSport Freは、比較した4製品中で唯一、防水機能を備えた完全ワイヤレスイヤホンです。「ドコドコな重低音たっぷり」という表現は、Boseイヤホン・ヘッドホンユーザならわかってくれるはず!そんなBoseならではの音質は、ワイヤレスイヤホンになっても損なわれていません。
こちらの写真はケースですが、Sony WF-1000X同様にMicroUSBの充電コネクタを備えており、約2時間で本体およびケース(バッテリー)をフル充電することができます。ケースの大きさもSony WF-1000Xとほぼ同じですが、厚みがBoseのほうが少し分厚く、若干コンパクト性能が劣ります。
ケースを開くと本体がマグネットで固定されている点もSony WF-1000Xと同じですが、このマグネット経由で充電されています。本体の稼働時間はSonyが3時間に対し、Boseが5時間と大きいですが、その分、本体も大きいです。
片方9gとSonyと2.2g差ですが、ワイヤレスイヤホンだとこの差が大きくずっしり感じます。ケース重量も80gと、Sonyより10gも重いのですが、その重さを吹き飛ばしてくれるほど音質はずば抜けて高いです。
色はブラック/オレンジ/ブルーの3色展開で、女性が身につけるとやや目立つと思います。「ワイヤレスイヤホン付けてます」感がすごく伝わってくる製品ですが、何度も言うように、重低音を重視される方には間違いなく納得の行く製品です。
製品の名前にSportがあるように、スポーツ向けの設計になっており、汗や雨の影響も受けず、長時間のトレーニングやジョギングでも最大5時間の再生時間は、使用にあたってストレスを軽減してくれるはずです。
また、製品紛失時でもスマホアプリで無くした位置を特定できるなど、痒いところに手が届く製品である点が非常にGoodです。
Sony WF-1000XとBose SoundSport Freを比較するとこんな感じです。ケース・本体ともにBoseが一回り大きいのは一目瞭然です。
本体だけを比較してもそのサイズ感が伝わってきますね。本体側面についている曲送り/戻し/再生/停止ボタンおよびボリューム操作ボタンは両機種に備わっています。
個人的には、同じ価格帯であれば間違いなくSony WF-1000Xを購入したほうが良いでしょう。ただ、Bose SoundSport FreeがSonyより5000円以上安ければ、Boseを選ぶかな・・・。私みたいに、2機種も購入する人は珍しいでしょうから。。
現時点で、実売価格はSony<Boseなので、Boseを購入する層は比較的少ないかもしれませんが、何度も言うように、重低音では完全にBoseが上です。ご自身が聴く音楽が、重低音重視か、J-POP寄りの音楽かで選んでみるのも良いかもしれませんね。
3.Samsung Gear IconXの製品レビュー
SamsungのGear IconXは、メガネケースのような外観のケースに収納された、本来Android(主にGALAXY)向けに製作されたワイヤレスイヤホンです。
メガネケースというと大きいイメージがあるかもしれませんが、手のひらに収まる非常にコンパクトなケースで、上記で紹介したSony WF-1000Xのケースとほぼ同じくらいのコンパクトさがあります。本体背面のMicroUSB充電コネクタも他の製品と一緒ですね。
ケース収納で充電が可能な点も他の製品同様で、本体は5時間の長時間稼働をしつつ、ケース収納時は最大2回フル充電できる容量を兼ね備えています。
正直、試聴する前は音質について全く期待していませんでした。ところが、音質はSony以上の高音質かつ重低音もカバーしており、あらゆる音楽ジャンルにピッタリ合う性能があって驚きました。さらに、本体に4GBの内蔵メモリーがあり、スマホ無しのスタンドアローンでも音楽が再生可能です。ジョギングする際、スマホが邪魔!というユーザにはピッタリと言えるでしょう。
本体はSony WF-1000Xと比較すると若干大きめですが、それほど違和感なく装着できる点がGoodです。本体表面のタッチセンサーで曲送り/戻し/再生/停止/音量調整などができ、一切不自由を感じませんでした。
本体は片方7.5gと、ほぼSonyと横ばいですが、ケースが50gとSonyより20gも軽量で、カバンに忍ばせておいても全くかさばりません。このコンパクト性能は、ワイヤレスイヤホンを持ち歩く点において、非常に重要なポイントです。
男性であれば、耳の内側にスッポリ収まる本体サイズです。女性だと少しはみ出る可能性がありますが、4種類あるイヤーチップを小さなサイズに変えれば、ほぼストレスフリーで装着できるでしょう。
Bose SoundSport Freeにも搭載されている、スマホを利用した紛失時の捜索機能があり、完全ワイヤレスイヤホンの弱点をカバーしています。iPhoneユーザなのに、Samsung製品を買うのに抵抗がある方は多いと思いますが、本体の外観からはSamsung製品であることは一切わからないので、性能重視であれば間違いなく「買い」の製品です!超おすすめですよ!
4.Apple AirPodsの製品レビュー
言わずと知れたApple純正の完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」。洗礼されたデザインとiPhoneとの親和性で、一躍話題になったワイヤレスイヤホンの代表的な製品です。
iPhone7以降はスマホ本体が防水性能が加わりましたが、AirPodsは残念ながら防水性能が備わっていません。ただし、音質はトップクラスなのは、さすが純正といったところでしょうか。
重さは片側4gと、比較4機種のうち最軽量で、ケースも38gとこちらも最軽量です。
音質は重低音は少ないですが、ボーカルや楽器の音がはっきり聞こえるため、ジャズやJ-POPを良く聴く人にはピッタリの製品です。音の遅延も一切なく、再生時間も5時間と、BoseやSamsungと同等なところがGoodです。
さらに、iPhoneユーザであれば、AirPods本体とケースそれぞれのバッテリー残量を見ることができ、充電タイミングを逃してしまうなんてこともありません。
軽量なことも相まって、装着感は非常に良いです。ただし、耳から2cmほど出ている棒状のものが、非常に景観を悪くしていると思うのは、恐らくほぼ全員でしょう。ジョブズが生きていたらこんなデザインには・・・なんて言われて久しいですね。
何よりも優れている点は、耳に装着すると自動で音楽が再生される点です。他の製品は、本体またはスマホで再生操作をしないといけません。この地味とも思われる機能は、冬場など、手袋をしたままの手や、ポケットから手を出したくない時などには絶大な効果を発揮してくれるのです。
さらに、タッチセンサーでSiriを呼び出して操作できる点はもApple純正ならではの機能と言えるでしょう。男性・女性が付けても、(棒状のものを除けば)非常にスタイリッシュに映えますね。
価格は4製品中で最も安価な1万円台後半なので、Apple信者でなくても、非常にオススメの1台です。ただ、本当にあの棒状の部分さえなければ・・・惜しい1台です。
結局どれがiPhone Xに最適なの?
結局どれがいいの?に対して、私なりの答えを出す前に、製品レビューを踏まえて客観的にわかる比較を以下にまとめてみます。上から順に、完全ワイヤレスイヤホンとして比較的重視される項目としています。
このことから、家電関してに超うるさい私がワイヤレスイヤホンを1台だけ選ぶなら、間違いなく「Sony WF-1000X」を選択します。
ぶっちゃけ、デザインと音質が十分でありながら、音声遅延もなく、必要最低限の再生時間があれば完全ワイヤレスイヤホンとしては申し分ありません。価格もこなれてきており、2万円台前半でサクッと買えちゃう点も、プラス要因です。
ただ、BoseのSoundsSport Freeの重低音は、聴く音楽によっては非常に欲しい性能です。迷った方は、実際に店舗で試しに装着して、音楽を聞いてみることをオススメします!
ボーナスシーズンかつクリスマスや年末シーズンに、少し奮発して話題の完全ワイヤレスイヤホンにデビューしてみてはいかがでしょうか?いろんな機種を全て装着して聴き比べてみた今回のレビュー結果は、皆さんの期待を裏切らないと思いますよ!今年最後の価値のあるお買い物を、みなさんもいかがですか?