発売解禁!Intel最強の第4世代プロセッサー「Haswell」の実力と買い時とは?
ムーアの法則はインテルが守り続けている。
そんなIntelが満を持して2013年6月2日発売した待望の最新CPU、それが"Haswell"。
前世代"Ivy Bridge"、前々世代"Sandy Bridge"と比較するとその性能差が歴然となってきます。
では、その噂のHaswellは「買い」なのか?そしてその「実力」は?
早速、その成長ぶりを確認してみましょう!
Haswellの実力はIvy Bridge、Sandy Bridgeと比較するとよくわかる
これまで過去2年間に渡って私達のCPUを支え続けてくれた2つのCPUをもとに、Haswellの立ち位置を確認してみます。
各CPUの概要は以下の通り。
Sandy Bridge | 2011年1月解禁の第2世代プロセッサー。 CPUにGPUを統合させたことにより、安価にYoutubeの快適性を提供してくれた。 |
Ivy Bridge | 2012年4月解禁の第3世代プロセッサー。 Sandyのクロックを向上させつつも省電力化、さらにUSB3.0チップセットに対応したことが特徴的。 |
Haswell | 2013年6月解禁の第4世代プロセッサー。 AVX2により、アイドル時でIvyの約20分の1に省電力化を行いつつも、CPU性能は更に向上。 |
パッと見ると、Sandy BridgeからIvy Bridge、そして今回のHaswellからどのように進化しているのかわかりにくいです。
というわけで、以下のように一覧にまとめてみました。
パッケージ | |||
---|---|---|---|
開発コードネーム | Sandy Bridge | Ivy Bridge | Haswell |
最大コア数(スレッド) | 2(4) | 4(4) | 4(8) |
クロック幅 | 2.3-3.5GHz | 2.5-3.5GHz | 2.0-3.5GHz |
ターボ | 3.8GHz | 3.9GHz | 3.9GHz |
L3キャッシュ | 3/6/8MB | 6/8MB | 6/8MB |
TDP | 65-95W | 45-77W | 35-84W |
DDR3 | 1333MHz | 1600MHz | 1333/1600MHz |
内蔵GPU | Intel HD Graphics 2000/3000 |
Intel HD Graphics 2500/4000 |
Intel HD Graphics 4200/4400/4600/ 5000/5100/5200 |
このように、Sandy Bridge、Ivy Bridgeの良いとこを受け継ぎつつ、省電力化、GPU性能の向上が際立ちます。
裏を返せば、CPUクロックに関してはあまり変化がなく、Ivy Bridge購入組は様子見でも良いように感じます。
さらに言えば、Sandy Bridge以前のユーザーから見れば劇的な性能の向上であるとも言え、買い替えによる恩恵は非常に大きいと言えます。
進化したグラフィック性能と劇的な省エネ性能
Haswell最大の特徴は「グラフィック性能の向上」であると言い切れます。
では、その性能はどれくらいなのかを定量的に見てみましょう。
以下のグラフは、過去のIntelメインストリームCPUを並べてそのグラフィック性能を示したものです。
2006年1月に「Intel Core」が発表され、同年6月に「Core Duo」が登場しました(あれからもう7年が経つんですね…)。
そのCore Duoを基準に、Haswellまでの成長ぶりが非常によくわかります。
ご覧の通り、Core Duoからおよそ75倍の性能向上が顕著に現れています。
Ivy Bridge、Sandy Bridgeからの性能差はどうでしょうか?
前年のIvy Bridgeからは約2倍、Sandy Bridgeからは約4倍の性能向上が見て取れます。
ここで見逃してはいけないのは、グラフィック性能がHaswellのウリではないということです。
グラフィック性能が高くなっているというのに、TDP(=Thermal Disign Power:消費電力)が低くなっているということ。
前世代のIvy Bridgeから約20Wの省エネを実現していることに加え、アイドル時では消費電力が半分になっています。
期待されるのはノートPC、そしてMacBook Air
デスクトップPCの消費電力が下がることは嬉しいことではあるものの、AC電源で常に電力が供給されている状況下では、あまりその恩恵に浸ることはありません。
しかし、ノートPC(ウルトラブック等)は消費電力が駆動時間に直結するため、HaswellはモバイルCPUでこそその真価を発揮します。
2013年6月10日10時(日本時間で6月11日2時)に発表が期待されるWWDC20013では、Haswellを搭載したMacBook Airが発表されるのではと期待されています。
現在のMacBook Air2012では、11インチで5時間、13インチで7時間のバッテリー駆動時間(ワイヤレスインターネット閲覧時)となっています。
この数字が数時間伸びるのであれば、例えば10時間に近づく、またはそれ以上になるのであれば、MacBook Airの存在価値がグッと高まるのではないかと思います。
それこそ、1日中使えるなんてこそになれば、私も去年かったMacBook Airからの買い換えも検討したいくらいです(笑)
Haswellのラインナップと価格相場
HaswellはこれまでのCPUラインナップと同様に、用途に応じたクロック数、価格帯がラインナップされています。
以下にわかりやすく一覧にしてみました。
Intel第4世代デスクトップCPU Haswell ラインナップ | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
型名 | コア数 / スレッド | TDP (W) | クロック数 | ターボ | L3 | GPU | 最大GPU クロック | TSX | 参考価格 |
i7-4770K | 4 / 8 | 84 | 3.5 GHz | 3.9 GHz | 8 MB | GT2 | 1.25 GHz | No | 37,800円 |
i7-4770 | 4 / 8 | 84 | 3.4 GHz | 3.9 GHz | 8 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | 33,800円 |
i5-4670K | 4 / 4 | 84 | 3.4 GHz | 3.8 GHz | 6 MB | GT2 | 1.20 GHz | No | - |
i5-4670 | 4 / 4 | 84 | 3.4 GHz | 3.8 GHz | 6 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | 24,480円 |
i5-4570 | 4 / 4 | 84 | 3.2 GHz | 3.6 GHz | 6 MB | GT2 | 1.15 GHz | Yes | - |
i5-4430 | 4 / 4 | 84 | 3.0 GHz | 3.2 GHz | 6 MB | GT2 | 1.10 GHz | No | - |
i7-4770S | 4 / 4 | 65 | 3.1 GHz | 3.9 GHz | 8 MB | GT2 | 1.10 GHz | Yes | 33,175円 |
i5-4670S | 4 / 4 | 65 | 3.1 GHz | 3.8 GHz | 6 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | - |
i5-4570S | 4 / 4 | 65 | 2.9 GHz | 3.6 GHz | 6 MB | GT2 | 1.15 GHz | Yes | - |
i5-4430S | 4 / 4 | 65 | 2.7 GHz | 3.2 GHz | 6 MB | GT2 | 1.10 GHz | No | - |
i7-4770T | 4 / 4 | 45 | 2.5 GHz | 3.7 GHz | 8 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | - |
i5-4670T | 4 / 4 | 45 | 2.3 GHz | 3.3 GHz | 6 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | - |
i7-4765T | 4 / 4 | 45 | 2.0 GHz | 3.0 GHz | 8 MB | GT2 | 1.20 GHz | Yes | - |
i5-4570T | 2 / 4 | 45 | 2.9 GHz | 3.6 GHz | 4 MB | GT2 | 1.15 GHz | Yes | - |
※TSX=Transactional Synchronization Extensions(トランザクションメモリー)
はっきりと言い切りますが、CPUの価格はそうそう下落することはありません!
ましてや、円安となってきている昨今の影響を受けているため、今後待てばさらに価格が上昇することもありえます。
発売間もないHaswellですが、今月に各社から発表されるノートPCを購入検討されている方、自作PCを構築する方は要チェックです!!