2014年1月26日更新
とうとうMX239HもVX239Hのどちらも凌駕する1台が発売されましたよ!記事の確認を急げ!!
2013年3月に、ASUSTeKより待望のAH-IPS液晶を採用した「MX279H」、「MX239H」が発売され、売れ切れ御免の大人気となりました。
そして、2013年6月。同じくASUSTeKから、AH-IPS液晶を採用した新型となる27型モデル「VX279H」、23型モデル「VX239H」の2機種が発表されました。
液晶ディスプレイ業界において、新型発売からたった4ヶ月で同系列の製品を出すことは異例であり、ASUSTeKの何らかの戦略が垣間見られます。しかし、消費者にとっては若干困惑しかありません。そんな同系列の新型VXシリーズと、前作となったMXシリーズはどんなすみ分けがされているのか?こればかりはメーカーもどこも明記および考察されていません。
というわけで、実際にMXシリーズを購入した私が、さらに発売日に製品をいち早く見て触れてきた内容を踏まえ、
「VXシリーズとMXシリーズのどちらを購入すべきか?」について的確に分析します。
VX239HとMX239Hの相違点とは
MX239Hを中心としたMXシリーズの徹底解析はこちらのエントリーを参考にしてみてください。
MXシリーズの特徴を捉えた上で、VXシリーズでは一体何が追加されたのか?はたまた、何か削除された内容はないか?
これらについて簡単に把握するため、以下の様な表にまとめてみました。改良点を赤文字で、逆に改悪点は青文字で記載してあります。
製品名 | VX239H (最安値はこちらから) |
MX239H (最安値はこちらから) |
---|---|---|
メーカー | ASUSTek | ASUSTek |
パネルサイズ | 23型ワイド | 23型ワイド |
最大解像度 | 1920×1080(フルHD) | 1920×1080(フルHD) |
バックライト | LED | LED |
パネル種類 | AH-IPS | AH-IPS |
表面仕様 | ノングレア | ノングレア |
コントラスト | 1,000:1(Max80,000,000:1) | 1,000:1(Max80,000,000:1) |
画像ピッチ | 0.265mm | 0.265mm |
視野角 | 178°(H)/178°(V) | 178°(H)/178°(V) |
応答速度 | 5ms(GtG) | 5ms(GtG) |
搭載技術/機能 | 映像エンジンSplendid:搭載 ASCRテクノロジー:搭載 VividPixelテクノロジー:搭載 GamePlus:Aimポイント、タイマー |
映像エンジンSplendid:搭載 ASCRテクノロジー:搭載 Trace Freeテクノロジー:搭載 _ |
消費電力 | 通常動作時:40W以下 省電力/スリープ・モード:0.5W以下 スタンバイ時:0.5W以下 |
通通常動作時:33W以下 省電力/スリープ・モード:0.5W以下 スタンバイ時:0.5W以下 |
入出力端子 | デジタル入力端子:HDMI 1.3x2 アナログ入力:D-Sub 15ピン オーディオ入力端子:HDMI 1.3x2、ステレオミニジャック オーディオ出力:ステレオミニジャックx1 スピーカー:1W+1W(ステレオ) MHL接続対応:MHL接続対応(専用ケーブル別売) |
デジタル入力端子:HDMI 1.3x2 アナログ入力:D-Sub 15ピン オーディオ入力端子:HDMI 1.3x2、ステレオミニジャック オーディオ出力:ステレオミニジャックx1 スピーカー:3W+3W(ステレオ) _ |
寸法 | 532.9(W)x210.1(H)x389.8(D)mm | 522.6(W)x207.2(H)x392.2(D)mm |
重量 | 約3.8kg | 約3.8kg |
付属品 | HDMIケーブルx1 D-Sub 15ピンケーブルx1 オーディオケーブルx1 ACアダプターx1 電源ケーブルx1 クイックスタートガイドx1 保証書x1 |
HDMI-DVI変換ケーブルx1 D-Sub 15ピンケーブルx1 オーディオケーブルx1 ACアダプターx1 電源ケーブルx1 クイックスタートガイドx1 保証書x1 |
発売日 | 2013年6月21日 | 2013年2月2日 |
保証 | 3年保証 | 3年保証 |
上記の表で、VX239Hについて言えることを箇条書きにすると、以下の8点に絞られます。
- HML接続対応(MHL専用ケーブルは別売)
- 「GamePlus:Aimポイント、タイマー」追加
- 「Trace Freeテクノロジー」が削除
- 「VividPixelテクノロジー」追加
- 通常使用時の消費電力が7W増加
- スピーカー出力が3W→1Wにダウングレード(VX279Hは1.5W)
- 寸法の幅と高さが増し、奥行きが狭くなった
- HDMIケーブルが付属(HDMI-DVI変換ケーブルがなくなった)
上記変更点の中で、特に大きな変化となった1〜4の計3点について詳しく見てみましょう。
1.MHL接続対応とは
MHL(モバイル・ハイデフニション・リンク、Mobile High-definition Link)は、簡単に言うとスマートフォンの画面を液晶ディスプレイに表示するための規格のことです。
具体的には以下の通り。
米Silicon Image社が開発した携帯機器向けの高速映像伝送用のインターフェース規格である。
MHL 1.0は、非圧縮なまま1080p, 30fpsの動画データを3端子で伝送でき、実際には5ピンタイプは5端子を持つUSBコネクタを流用する。差動伝送技術「TMDS」[1]を使用して1対の信号線により動画映像情報と音声情報を最大2.25Gbit/secで伝送する。また、差動対の片側1本により制御信号を送る。MHL 2.0 は 60 fps の画像転送が出来る。
(Wikipedia:MHLより引用)
上記の比較表の通り、VXシリーズではMHL接続に対応した点が大きな変更点です。
スマートフォン(現状では主にAndroid)の画面を、AH-IPSパネルに表示させ、大画面で内容を見たい人にとっては魅力的な機能です。同時にスマホの充電も可能です。
一方で、あまりMHLを利用するシーンを想定できない人は、VXシリーズを購入するきっかけにはなりにくいと思われます。
役立つ人というのは、恐らく下図のように、スマホのビデオ映像や録画映像等を大人数で共有したりする事が多い人かと思います。
2.GamePlus:Aimポイント、タイマーとは
様々なゲームを行う上で便利な機能をディスプレイに搭載したものが、GamePlusです。FPS(First Person shooter)では画面内にAimポインターを表示し弾道を予測、RTS(Real-time Strategy)では刻々と迫る時間をディスプレイに表示することができます。Aimポインターは4種類の中から好みのものを、タイマーでは表示位置が選択可能です(下図参照)。
液晶下部のタッチパネルにあるGamePlusホットキーを押すだけで、どんなゲームでも表示することができます。
(左がFPSの場合、右がRTSの場合)
これは、FPSやRTSなどをする人にとって価値のある機能になるかもしれません。
私はゲームをほとんどしないので、あまり縁のない機能ではありますが。。。
3.Trace Freeテクノロジーとは
VXシリーズでは、MXシリーズには存在していた「Trace Freeテクノロジー」が何故か削除されました。
これは簡単に言うと、ゴーストのないスムーズな動画再生が可能になる技術が削除されたことになります。テレビで言う「倍速」のようなものです。
液晶ディスプレイを使用するユーザーにとって、メインとなる用途が動画再生であれゲームであれ、もっとも気になるポイントは「応答速度」。応答速度の速さこそが液晶ディスプレイ選択の重要な基準になることも少なくありません。ASUSの液晶ディスプレイに搭載されている"Trace Free Technology"は、この応答速度を2ms(中間階調域)にまで高めることで、残像感のない、なめらかでスムーズな表示を可能とします。Trace Free Technologyは、カーレースやスポーツなどのスピード感のある動画はもちろん、微妙な反応の差がプレイに大きく影響するFPSゲームなどでの快適さを約束します。
(ASUS公式HPより引用)
普段あまり動きの激しい動画やインターネットを閲覧しない人にとって大きな影響はないのですが、ゲームやテレビで動きの激しい動画を良く見る方にとっては改悪といって良いでしょう。
下図をご覧ください。ゲームの1シーンではありますが、Trace Freeテクノロジーが働いている・いないで、ゴースト表示されてしまいます。
実際にVXシリーズのものを確認しMXシリーズと比較しましたが、Trace Freeテクノロジーのあるなしで画質や見やすさに違いがでるとは感じませんでした。
あまり意識していなかればわからない機能かもしれません。
なお、この機能を削除した代わりに次の「VividPixelテクノロジー」が採用されました。
4.VividPixelテクノロジーとは
VividPixelテクノロジーはオブジェクトのアウトラインを強調し、シャープネスや彩度を最適化することにより、さらに美しい描写を作り出すことに成功しています。
効果は5段階で選択できるため、レタッチ作業ではオフに、動画鑑賞では効果を最大にするなど用途に合わせた設定が可能です。
下図をご覧ください。左がVividPixelオフ、右がオンです。右のイチゴのアウトライン(輪郭)部分が鮮明になっているのがわかります。
長時間の液晶ディスプレイとにらめっこする作業をする方は、この効果による目の疲労が軽減されるとも言われています。文字のアウトラインも強調されるので文章作業も捗ります。
ちなみに、VX・MXシリーズともにASCRテクノロジーを搭載しているため、適切な色補正も行われます。
これとVividPixelテクノロジーとが相まって、非常に見やすい液晶ディスプレイであることは間違いなさそうです。
新型VX239H外観レビュー
VX239HおよびVX279Hは、外観・操作ともにほぼMX239H/MX279Hと同じと言ってもよいです。
外観ではい、色の違い以外は見分けがつきません。
外観ですが、VXシリーズでは黒とシルバーがベースとなっており、かなりカッコ良くなっています(MXシリーズも黒があればよかったなぁ)。
メニューおよび電源ON/OFFもMXシリーズと同様にタッチパネル式となっています。
スピーカーも同様です。MXシリーズと同じくサイドにステレオスピーカーがついています。
1点違うところは、MXシリーズが出力3Wに対して、VXシリーズは1Wと若干ダウングレードしています。
ディスプレイのスピーカーなんかにもともと期待なんかしてねーよ!って人はあまり関係のない話ですね。
背面のI/Oインタフェースもほぼ一緒です。
内部的にHDMIがMHL接続にも対応している点で、VXシリーズのほうが機能向上していると言えます。
VX239Hの液晶サイド部分の厚みは、最薄部で14.5mm(VX279Hは17.5mm)と、MX239H/MX279Hと同じ薄さです。
また、液晶正面部分は狭縁ベゼルですが、非表示エリアも存在しています。しかし、その非表示エリアも0.8mmという超狭縁を実現しています(MXシリーズ同様)。
こちらがASUSTeKの展示場で公開されていた、スマートフォンとのMHL接続によってVX239Hに映しだされている様子です。
ベゼルも狭く、発色も良いことがわかります。こればかりはAH−IPSパネルを採用しているが所以ですね。さすがといった画質です。
VX239HとMX239Hどちらを買えば良いのか
これまでの上記説明で既に感じられている方もいると思いますが、VXシリーズはMXシリーズにMHLを追加しただけのマイナーチェンジモデルです。
そこで、購入には以下の観点を基準にどちらを購入すべきかと決めると良いです。
- MHL接続が必須で、黒色のディスプレイが良く、少しでも安価にAH-IPSパネルの液晶がほしい → VX239H / VX279H
- MHL接続は無いが、省エネ、Trace Freeテクノロジー(≒倍速機能)、3Wステレオスピーカーがほしい → MX239H / MX279H
個人的には、既にMXシリーズを買った方は全く気にせずそのまま使用して良いと思います。だって、性能が同じか、MXシリーズのほうが高いのですから。
ただ、VXシリーズのほうがカッコいいのは事実です。(汗)しかも、2000円程度安いので、ココらへんは性能差といったところでしょうか。
これから液晶を買う人は上記のように選択枠が広がったので、ご自身の用途や好みに合わせてどちらかを選択すれば良いと思います。
いずれに液晶ディスプレイを選択しても、AH-IPSパネルの超高画質を体験できることは間違いありません。
VXシリーズ、MXシリーズともに在庫切れが未だ継続しています。
生産が完了してしまう前に、このコスパ最強の液晶を早く手に入れましょう!!とても価値のあるお買い物ですよ!
※MX239H / MX279Hも検討される方は、こちらのエントリーを見ていただけると参考になると思います。