来たる2015年11月。東芝から満を持して、新4K REGZA Z20Xシリーズが発売されました。
2014年11月にZ10Xシリーズが発売されてからちょうど1年後の発売となったZ20Xシリーズ。2014年4月に発売されたZ9Xシリーズからおよそ半年足らずでマイナーアップデート版のZ10Xが発売されたという、Z9Xユーザにとっての悪夢が再来することはなく、順当な機能・性能アップを遂げていることは私のような家電マニアにとっては朗報を言わざるを得ません。
発売前のプレ発表では、「7000nit HDRパワーディスプレイシステム」の採用により、超高輝度を実現する代わりに、消費電力2000Wを超えるという壮絶なギャグをかましてきた東芝さん。
しかし、実際のZ20Xの発表では、CELL REGZAと同等またはそれ以上の輝度を実現しながら、従来機Z10Xと比較して約8%も省エネを実現するなど、「高性能化」と「省エネ」の相反する課題をクリアしてきた4Kテレビ最強の1台であることが判明しました。
そんな素晴らしいZ20Xは、Z10Xを所有する@umame4からすれば「悔しいザマス!」の一言に尽きるのですが、問題はその魅力とコスパが「買うに値するか?」だと思うのです。値頃感を狙って買った@umame4は、50Z10Xを20万以下で購入しています。
そんなわけで、今回は某家電量販店で最新機種Z20Xと従来機Z10Xを隣に配置いただき、その魅力を徹底分析していきます!家電マニアも、これから4Kテレビを検討される方も必見の内容になっていますよ!
Z20Xの魅力をおさらい
Z20Xのスペックは凄まじいことになっています。その全てを説明するとなれば「公式サイト行って来い」になりますが、ここではわかりやすく主要な機能・性能に絞ってお伝えします。
1.レグザパワーディスプレイシステム
Z20X最大の進化点は、「全面直下LEDバックライト」と、輝度を大幅に高め外光の反射を低減させたパネルによって実現させた超高コントラスト「レグザパワーディスプレイシステム」です。
輝度を高めたことで明暗がくっきりし、モノや人の輪郭を際立たせ、4K映像に更なる奥行き感を与えています。細かな凹凸まで描き分ける色彩と、思わず引き込まれそうな漆黒を再現しており、クリアな映像がまるで立体映画を見ているかのような体験を与えてくれます。
2.超高輝度+HDR入力対応
下の絵は、決して画面左半分の色階調を落としているわけではありません。今、皆さんが使っているテレビでは左半分のように実際見えているんです。
Z20Xでは、規格化されたHDMI®の「HDR(ハイダイナミックレンジ)フォーマット」入力に対応しており、「レグザパワーディスプレイシステム」による緻密なエリアコントロールによって更なる超高コントラストを実現しています。
青空はより青く、花の色はより鮮やかに、夜景は黒潰れを浮かび上がらせて精細感のある映像に生まれ変わります。これらはHDRコンテンツだけではなく、通常の地デジ映像にも加工が施され、立体感・リアリティ・精細感のある映像へとシフトさせてくれるのです。
3.新ざんまいスマートアクセス+新ボイス機能
タイムシフトマシンで録画した番組や、通常録画した番組の中から、見たい番組がすぐに楽しめる「ざんまいスマートアクセス」がさらに進化しました。
見やすい&快適に操作できるグラフィックを採用したことにより、Z10Xではカテゴリー選択部分が小さく表示されていたものが、スクロール部の外に表示されたことで、タイムシフトマシンからカテゴリー分けされたコンテンツから見たい番組をより早く見つけ出すことができるようになりました。このカテゴリーは最大21個まで設定可能です。
ちなみに、ざんまいスマートアクセスで抽出された番組のサムネイルを選択すると、以下の写真のように番組説明が出るようになりました。これはZ10Xでは搭載されていなかった機能なので、地味なところで進化しているようですね。
さらに音声検索により大量の番組から好みの番組を見つけて表示してくれる「ボイス機能」も進化しました。
見たいコンテンツを、まとめて検索することが可能になり、放送中/録画番組、Youtube、シーン、さらには未来番組(これから放送される番組約)までリモコン1つで検索できるようになりました。
Z10Xを使っている私の最大の不満は、ボイス機能で「録画番組を検索できないこと」でした。本当に見たい番組はピンポイントで録画しますが、数日テレビを見る時間がなかったとき、週末でまとめてみる時には、録画しておいた大量の番組から見たい番組を選び出さなくてはいけません。これがリモコンに話しかけるだけで1発解決なんて、これだけでもZ20Xに買い換えたい!と思ってしまうほどです。
Z10XとZ20Xの違いとは?
魅力たっぷりで新機能も搭載されているZ20Xですが、従来機(Z10X)と比較して削除された機能もあります。以下の表にその一覧をまとめてみました。
上記のうち、新製品にも関わらずZ20Xで削除された4機能については、賛否が分かれるところでしょう。
ちなみにSeeQVaultは、レコーダー側が対応していてもテレビ側が対応していなければ引っ越し用のバックアップはできません。例えば、Z10Xで録画した番組をDBR-M590などのSQV対応レコーダーと接続しても、Z10XがSQVに対応していないので引っ越し用のバックアップはできないというわけです。SQVを必須とする方は、Z20Xを購入するか、SQV対応のレコーダーで録画する事をお勧めします。
リモコンの違いから見る機能の差
左がZ20X、右がZ10Xのリモコンです。大きく異る点としては以下の通り。
- dデータボタンの配置が下部右側に変更
- シーン検索ボタンの配置が最下部に変更&ボタン縮小
- NETFLIXボタンが追加
- タイムシフトマシンのボタンが過去番組表に変更
- 二画面ボタンが削除
まぁほとんど変更点は無いのですが、Z20XからNETFLIX対応となった点が目玉でしょうか。ボタンの配置換えなどは、機能の需要があまりなかった事を示唆しているようですね。実際、シーン検索ボタンとか全然使ったことないので。。
あれ?でも二画面ボタンが削除されてるぞ・・・?なんか嫌な予感が。。Z10XからZ20Xへの進化の過程で削られた機能について少し詳しく見てみましょう。
Z20Xで削除された機能の是非
まず3D高画質対応ですが、これは昨今の3Dコンテンツの普及率から見てもコストダウンの一環として削除されたものと推察します。Z10Xユーザの私も、3D対応ではあるものの、見るコンテンツが無い上に、3D視聴のためにデバイスを購入しないといけないことから利用は一切していません。特にZ20Xで削除されたことでマイナスになる点ではないでしょう。
次に2画面(ダブルウィンドウ)機能。これは何故削除したんのか一切理由がわかりません(汗)3D高画質対応と同様に、使わない人はほんと使わないと思いますが、災害時のNHK:その他番組のダブルウィンドウは非常に役立ちます。
野球のペナントレース好きなお父さんがいれば、家族でチャンネルの奪い合いなんてことも無くなりますし、音声を聞くまでではないけど、動向をチェックしたい裏番組を小さく表示しておくのって割りと使い慣れると多様すると思うのですが。。。ましてやこれってソフトウェア制御だと思うので、コストダウンと一切関係ないと思うんですが、なぜZ20Xでは削除してしまったのか気になるところです。
タイムシフトプラス1は削除されたのではなく、チューナーに統合されたので実質は削除されていないのと同じ?(Z10X→Z20XでBS・CS110度チューナーが1つ増えているが)実は私ココらへんよくわかってません。機能として削除されたのは間違いないのですが、今度TOSHIBAさんに聞いてみたいと思います。
MHL端子ですが、Z10XではHDMI端子に兼用として搭載されていましたが今回は削除されてしまいました。東芝さんはAndroidを完全に切ってきたようですね。スマートTVも他社とは一線を画しているようですし、時代はWindows!ってことなのでしょう。もうAndroidOSのREGZAタブレットも終息ですしね。。。
Z10XとZ20Xの画質レビュー
さて、いよいよ1番気になるところでしょう。今回、某家電量販店さんにご協力いただき、REGZA 58Z10Xと58Z20Xと左右に並べて比較実験をさせていただきました。
まずは、こちらの比較動画からご覧ください。
※4K/30pのiPhone6sで撮影を行いました。
左が58Z10X、右が58Z20Xです。両方ともに、同じ映像条件(映像はあざやか設定で、明るさセンサーはオフ)で視聴しています。
映像を見て、まずひと目でわかるのが画面の明るさでしょう。右側のZ20Xのほうが、青色に締まりが有り、人の肌の色も自然に見えます。逆にZ20Xを見てから、左側のZ10Xを見ると、空の色が若干薄く見えてしまうのと、人の肌の色が若干赤みかかって不自然のように個人的には見えました。
違うチャンネルに切り替えて、人の肌の色をアップで見てみましょう。東国原さんもはや文化人になってきましたね!笑
違いは歴然です。左がやや赤み?白みかかったように見えるのに対し、右側は人の肌の張りや暖かさが伝わってくるような画質です。
※地デジの分配器によるものなのか、若干映像にタイムラグが見られるため厳密には数フレームずれています。しかし、画質に影響が及ぶほどの差ではないと思われます。
ニュース番組
続いて、ニュース番組を見てみましょう。
ミッツさん肌キレイ!ではなくて、安倍さんや韓国首脳のパク・クネさんの服の色に注目ください。
紺色と緑色のそれぞれの色が、Z10XとZ20Xとで大きな違いを表しています。さらに、ニュース映像全体が非常に明るく、見やすい印象になっているのもわかります。
半ばで表示される字幕「日刊関係に進展は?」は、白色の明るさの違いを如実に表現しています。ずっと見ていて疲れない印象なのがどちらかは一目瞭然でしょう。
ゴルフ番組
次は、ゴルフ映像です。サッカー観戦としても利用したい4Kテレビですが、芝生の色、見え方が気になりますよね。さて、結果はどうでしょうか?
序盤には池の映像、後半に芝生が写り込んでいますが、風で揺れる草木や水、緑色の芝生が非常に滑らかに見えるのは私だけでしょうか。パネルの明るさも手伝って、まるでその場にいるかのような臨場感を与えてくれます。
これがサッカー映像だと、かなりの迫力があることでしょう。これだけでも十分魅力のある映像だと言えます。
グレアパネルによる映り込みの影響は?
Z20Xの魅力は動画を見ていただいても十分おわかりかと思いますが、グレアパネルがその一端を担っていると言っても過言ではありません。
一方でこのグレアパネル、某所では「テレビの電源を切ると福山雅治が毎回映り込む」と揶揄されるほど「映像への映り込み激しいパネル」とも言われています(笑)。実際にはどうなのでしょうか?こちらも調べてみました。
こちらも同じく左がZ10X(ハーフグレア)、右がZ20X(グレア)です。
2つともグレアパネルなので映り込みはするのですが、よく見るとわかる通り、左側のハーフグレアはモザイク?霞み?がかかったようにぼやけているのに対し、右側のグレアは物体や手の輪郭ははっきりしています。
福山雅治さんも良く写り込んでしまっているのがよくわかります。
さらに、Z20Xを斜めから見てみた写真がこちら。
なにこれ、めちゃくちゃ映り込み激しいじゃん!!と思う方は、ご自宅のテレビ配置を良く検討されてから購入されることをオススメします。
個人的には、映像が写ってしまえばほとんど影響がない、というのが結論で全く問題ないとすら思っています。それを証明する写真がこちら。
見え方や角度によって、ハーフグレアもグレアも映り込む時は映り込むんですが、許容できる範囲ではないでしょうか?さらにREGZAで最も好評な番組表なんかも見てみましょう。
ね?Z10XもZ20Xも写り込んではいるけど、1番ひどい斜めからの視聴でも、映り込みのせいで映像が見えない!なんてことは無いと思います。
ましてや照明ギンギンの家電量販店ですから、今のこの状態が1番ひどい環境で、通常の自宅の照明なら何ら映像に写り込んで使いものにならない、なんてことには絶対になりません。
インパルスモードで画面が暗くなる仕様はどうなったか?
Z10Xユーザなら誰もが知っている不満点として、インパルスモード時に画面が暗くなることが挙げられます。そもそもインパルスモードとは何かと言うと、
映像の中に効果的に全消灯のフレームを入れることで(60p時)、動きの速い映像もボケ感を抑え、ゲームやビデオシーンでもくっきり再現。映画(24p)もフィルムならではの質感で再現します。
といった技術で、最初にソニーが市場に出し、次にREGZA Z10Xにも搭載された目玉機能の1つです。
しかし、このインパルスモードですが、説明でも「全消灯のフレームを入れる」と書いてあるように、全体的に暗くなってしまいます。暗いこともそうなのですが、フリッカーによるチラつきが目立ち、よほど動きのある映像が続いていない限り非常に見づらくなってしまうという諸刃の剣なる機能です。
この機能はZ20Xでも引き継がれているのですが、なんと!若干暗くなるものの、ほとんどそれが知覚できないくらいに明暗の変化がなく、またチラつきも抑えてくれていました!やはりZ10Xユーザの不満が設計者にも届いていたのですね!涙
REGZA Z20Xはぶっちゃけ買いか?
あんまりぶっちゃけない人間なのですが、家電マニアの私にとっては、ぶっちゃけ喉から手が出るくらいほしいです!
あああぁぁぁああ゛あ゛あ゛あ゛もうちょい待ってから4Kテレビ買えばよかったぁぁああ!!!と、極端に言えばそんな感想です。が!!
私は実は、195,000円で50Z10Xを購入していまして、それを考慮すると2015年11月16日現在で315,000円と、12万円も高いZ20Xを購入するかと言われれば絶対にZ10Xを選ぶでしょう。
しかし、来年の今頃、もしかするともっと早くZ20Xの価格が手頃になってきたら、少し悔しい気持ちになってしまうかも(汗)でも、そんなこと言ってたらZ20Xを買った人が、Z30Xを見て同じことを思っていそうなので、こんな不毛な検討は止めにしましょう(笑)
Z20Xは買い!ボーナス・年末・お正月商戦で狙うべし!
性能・機能を見れば、20万とまでは行かなくとも、27万くらいまで落ちればもう手を出しても良いくらいの素晴らしい出来栄えです。現在は苦しい経営状態にある東芝さんですが、ボーナス・年末・お正月商戦はどこの家電量販店も力を入れてくるので購入するならこのタイミングがベストでしょう。
Z10Xの価格遷移グラフを見てもわかる通り、発売2・3ヶ月で価格が飽和状態になっており、そこから半年以上も値動きがありません。歴史は繰り返されるものです。ほしい時に買うのが男ではないですか!
ちなみに、現在はタイムシフトマシン対応のHDDや、専用のリモコンカバー(純正ではないけど専用でサイズもピッタリ)なんかも非常に安く購入できるので、お見逃し無く!少し高いですが、価値のあるお買物で年末を迎えてみませんか?
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